イギリスでの採用 成功事例 A社のケース
Posted 26th April 2019 • Written by Team Japan •
※この記事は、海外赴任LABに2018年11月5日に執筆&掲載した記事になります。元の記事はこちら
イギリスでの採用 成功事例 A社のケース
前回に続き、今回はロンドンのある企業、A社を例に、採用活動をスムーズに進め、求める人材に入社してもらうためのポイントを解説します。
ロンドン中心部にオフィスを開設して半年が経ったA社。
駐在員3名が配属されましたが、オフィスの細かな事務をお願いできる、イギリス事情に詳しいローカルの人材を1名採用したいという話になりました。本社からの承認も下りたので早速採用活動を始めることにしました。
ロンドンオフィスを統括することになった山田氏は、イギリスはもとより海外赴任自体が初めてです。採用活動についてもこれまで関与したことはありません。知り合いの日系企業数社に話を聞き、紹介してもらった採用エージェンシーに話を聞き、対策を立てることにしました。
駐在経験が初めての山田氏は、正直なところ自分の英語力についてもやや不安があります。新しいオフィスアドミニストレーターの語学力-日本語/英語のレベルをどうするかについても迷っていました。
• 小規模オフィスであるA社になじんでくれる人材はいるのか?
• 採用活動を始めてからどのくらいの期間で採用が終了するのか?
• 面接はどのように進めればいいのか?
• 採用活動において特にイギリスで留意しなければいけないことは?
さて、エージェントの答えはどうでしょうか。
Q 「小規模オフィスであるA社になじんでくれる人材はいるでしょうか?」
A 「人材マーケットを理解した上で、どんな方に来てもらうかを決めましょう」
特にロンドンには、日本語を話す人材が集中しており比較的探しやすいといえます。また日系の小規模オフィスも多いため、必要な経験をすでにお持ちで、小規模オフィスならではの細かな業務に日々対応する必要性を理解しています。また、大学を出てすぐの人材なども、未経験でもできる業務内容とするのであれば、考慮の対象となります。従って必要とする業務経験と、日本語のレベルによって紹介できる人材層が決まってきます。
山田氏「オフィスの業務経験はなくてもよい。ネイティブによる英語チェックをお願いしたいので、日本語/日系ビジネスに興味があり働いてみたいという人を採用したい」
という方針でエージェントに依頼することにしました。
Q「採用をはじめてから終了するまで、どのくらい時間を見ておけばよいでしょうか?」
A「1か月~3か月とお考え下さい」
エージェントに連絡をしてから10日ほどでCV(履歴書)が集まり、その中から候補者を絞って1次面接/2次面接に1-2週間、そしてオファーという流れになります。すぐに入社できる人であれば1か月ほど、ノーティス(引き続き期間)がある人でも大体3か月以内には入社となります。
Q「標準的な面接の進め方は?」
A「通常は2回。聞きたい質問を事前に決めておきましょう」
1次面接で候補者の経験や人柄をまず判断、2次面接では条件面なども含め最終的にやっていけそうかどうかを見ることになります。会社によっては簡単なテストなどを実施するところもあります。候補者を公正に比較するため、質問項目を事前に決めておき、そこから外れないようにしたほうがよいでしょう。また採用に関し、その人の能力に関係のない事項を尋ねるのは厳禁です。結婚の有無、家族構成、年齢、宗教などについてくれぐれも質問しないようにしましょう。
Q「採用活動で留意すべきことは?」
A「活動を始める前に、職務内容や、給与、福利厚生などを書面でまとめ、候補者に見せられるようにしておきましょう。」
>イギリスならではの注意点にはこちらでも簡単に説明していますのでご覧ください。
あとでトラブルにならないように重要な事項はすべて書面にて残しておくことが必要です。
候補者の採用側へのよりよい理解のためにも、予め上記の事項をまとめておきましょう。また採用時にはオファーレターや雇用契約書/カンパニーハンドブックが必要となり、これらの作成にも時間がかかるため、採用活動を開始する前にすべて準備を終えておきましょう。
また、採用エージェンシーを使用する場合、ヘッドハンティングなど特殊なケースを除き通常は採用が決定してから手数料をエージェンシーに支払うこととなります。
知りたいことが分かって安心した山田氏は、予定通りに採用活動を行い、希望する候補者に入社してもらうことができました。
以上、弊社のお客様から寄せられるご要望によりモデルケースを構成してみました。
イギリスでの採用のご参考になれば幸いです。