女性は男性の2倍、給与について話すことに抵抗を感じる

Posted 7th September 2026 • Written by Maxine Brigue on hrmagazine.co.uk • バンキング • チームジャパン • チームチャイナ • サプライチェーン • マルチリンガル • プロフェッショナル

女性は男性に比べて、**給与について話すことに抵抗を感じる割合が約2倍(女性22%、男性11%)**に上ることが、法的請求支援プラットフォームFair Pay UKが8月12日(水)に公表した調査結果で明らかになりました。

また、男性の10人に約7人(69%)が給与について話すことに抵抗を感じないのに対し、女性では53%にとどまりました。

さらに調査では、英国人の10人に3人(30%)が、「同じ仕事をしていても、組織は男性に女性より多く給与を支払っている」と考えていることも明らかになりました。

Tailored Thinking(ビジネス心理学コンサルティング会社)の創業者Rob Baker氏は、HR Magazine に対し、給与の透明性は最終的には「信頼」の問題だと指摘しています。

Baker氏は次のように説明しています。

「公正な給与は、従業員が自信や知識、あるいは交渉スキルを持っていて、自ら要求できるかどうかに左右されるべきではありません。健全な職場では、給与について話すことが自然で、安全で、透明性のあるものとして受け止められます。また、従業員が声を上げなくても公平性が確保される仕組みが整っています。」

グローバルな非営利団体CatalystでEMEA地域のリサーチ担当シニアディレクターを務めるEllie Hodgins氏は、今回の結果について「懸念されるものの、残念ながら驚くべきことではない」と述べています。

Hodgins氏は次のように語っています。

「隣で働く男性と同じ仕事をしているのに、自分の給与が低いことを期待して職場に行く女性はいません。しかし、女性が給与について率直に話しにくいと感じている場合、不公平な給与差を発見し、問題として指摘することが難しくなります。だからといって、単純に『女性がもっと自信を持つ必要がある』という話ではありません。」

Fair Pay UKが委託した調査では、**給与について上司と一度も話したことがない女性は41%で、男性の31%を上回りました。**また、同僚と給与について話したことがない割合も、女性32%に対し、男性は26%でした。

Baker氏は、

「従業員は、自分の給与がどのような基準で決められているのか、キャリアアップによってどのような昇給・昇進が見込めるのか、そして不公平だと感じた場合にどこへ相談できるのかを理解できるようにすべきです」

と述べています。

また、管理職側にも、給与についてオープンかつ一貫したコミュニケーションを行うためのスキルと自信が必要だと指摘しています。給与に関する話し合いが、密室や年に一度の評価面談でしか行われない状況を避ける必要があります。

研修会社LearnmoreのManaging Director、Becky Newell氏も、

「女性に『もっと声を上げるように』求めるべきではありません。女性の声が日常的に聞かれ、評価され、男性と同じように報われる職場をつくるべきです」

と述べています。

組織は、給与、キャリアに対する意欲、昇進について話すことが当たり前になる企業文化を構築する必要があります。

Newell氏はさらに、シニアレベルで活躍する女性を見ることは、他の女性にとって「自分もキャリアアップできる」と感じることにつながると指摘。キャリアの希望について率直に話せる自信やネットワークを持つことが、大きな変化をもたらす可能性があるとしています。

Hodgins氏は、HR担当者が給与格差の解消に取り組むためには、給与に関する会話を日常的なものにし、明確な基準に基づいて透明性を高めることが重要だと述べています。

給与交渉は、給与決定にバイアスが入り込むポイントの一つでもあります。男性に対して評価される行動が、女性の場合には異なる評価を受けることもあります。

そのため、給与レンジ(pay bands)を明確に設定し、入社時の給与を一定の基準に基づいて決める仕組みを導入することで、バイアスが入り込む余地を減らし、透明性のある給与体系を構築できます。個々の従業員が、自分の給与について一人で交渉しなければならない状況を避けることにもつながります。

Baker氏もこれに同意し、

「職種がどのように評価され、昇進・昇給がどのような基準で決まるのかが明確になれば、個人の交渉力への依存を減らすことができます。それによって、見えにくい給与格差が生まれる可能性も低くなります。」

と述べています。

もちろん、透明性だけですべての男女間の同一労働同一賃金の問題が解決するわけではありません。しかし、給与決定の仕組みを明確にすることで、不透明さを減らし、公平性について話し合いやすくなり、企業が説明責任を果たしやすくなります。

Hodgins氏は最後に、同一賃金の実現はHRだけの責任ではないと強調しています。

「これは経営陣の強い支持と明確な責任体制を伴う、企業全体の優先課題でなければなりません。透明性によって不公平が明らかになったとしても、それだけでは十分ではありません。企業はデータから明らかになった問題に対して実際に行動し、すべての給与決定において信頼と公平性が根付く職場をつくる必要があります。」

なお、この調査はFair Pay UKの委託によりOpinion Mattersが実施したもので、2026年6月15日~18日に英国の労働者2,000人を対象に行われました。

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