生活費の高騰で、無料の福利厚生に注目する従業員が増加
Posted 12th August 2026 • Written by Maxine Brigue on hrmagazine.co.uk • • • • •
労働者の大半(74%)が、生活費の上昇により、無料のコーヒーやハイストリートの割引など、福利厚生に含まれる「ちょっとした特典(freebies)」を以前より意識するようになったことが、8月6日に発表された調査で明らかになりました。
小売系眼鏡チェーンSpecsaversが委託し、英国のオフィスワーカー2,000人を対象に行った調査では、73%が、生活費の上昇によって少額の経費についても会社に払い戻しを請求する可能性が高くなったと回答しました。
一方で、**10ポンド未満の経費を実際に請求している従業員はわずか13%**にとどまり、21%は、経費について尋ねるのが気まずいと感じるため、請求していないと回答しています。
こうした少額の経費への関心の高まりや、日常的に利用できる「無料の特典」への注目は、**「現在、経済的なプレッシャーがいかに身近なものになっているかを示している」**と、住宅関連団体The Hyde GroupのReward, Wellbeing and Benefits責任者Natalie Quilter氏はHR Magazineに語っています。
Quilter氏はさらに、企業が取るべき最も効果的な対応は、**「Financial Wellbeing(経済的なウェルビーイング)を付加的な制度ではなく、従業員体験の中核として捉えること」**だと述べています。
そのためには、従業員のライフステージの違いを理解し、それぞれのニーズに合ったサポートを設計することが重要だとしています。
また、福利厚生サービスを提供するPersonal GroupのChief People Officer、Jenny Hinde氏は、物価上昇への対応には、幅広い福利厚生を用意するだけでなく、それらを従業員にきちんと伝えることが重要だと指摘しています。
Hinde氏によると、最近では、従業員がどのような福利厚生を利用できるのか、またその利用方法を理解してもらうために、対面での説明やコミュニケーションを好む傾向が強まっているとのことです。
報酬・表彰・福利厚生・ウェルビーイングのプラットフォームEach PersonのCEO兼創業者Matt Norbury氏は、経済的なサポートを、困ったときだけ提供するものではなく、日常的な職場生活の一部にするべきだとしています。
Norbury氏は、今回の調査結果について、
「今日の職場について重要なことが見えてきます。経済的な不安が、人々の日常的な福利厚生の利用方法を変えているのです。本当の門題は福利厚生そのものだけではなく、それを取り巻く企業文化にあります」
と述べています。
Hinde氏も、誰もが必要なサポートを利用しやすいと感じられる、インクルーシブな企業文化が重要だと同意しています。
そのためには、離職率、従業員サーベイ、従業員からのフィードバック、社内制度の利用状況、福利厚生の利用状況、苦情などを通じて、企業文化の状態を注意深く把握する必要があるとしています。
Norbury氏はさらに、優れた企業は経済的な支援制度を、映画館の割引やキャッシュバックと同じような「通常の福利厚生・特典」として扱っていると説明しています。
また、新入社員には入社1週目から制度について説明し、特別な人だけが受けられる「ご褒美」のようには扱わないことが重要だとしています。
経済的な支援制度を給与と同じように**「従業員の待遇の一部」**として経営陣が説明すれば、利用することへの気まずさをなくすことができます。
Norbury氏は、**「職場におけるウェルビーイングは、シンプルで、日常的で、誰もが簡単に利用できるものであるべき」**と述べています。
Hinde氏は、HR担当者には、従業員がこうした経済的な福利厚生を利用することを**「当たり前のこと」として定着させる役割がある**としています。
例えば、借金などの経済的な問題を経験した人が、どのようにその状況を乗り越えたのかを共有するなど、実際のストーリーを紹介することも有効だとしています。
そうすることで、**「自分だけが困っているわけではない」「経済的な問題を抱えることは恥ずかしいことではない」**と従業員が感じられるようになります。
Quilter氏も、企業は福利厚生を積極的に周知し、経費精算の手続きを簡素化するとともに、「自分が受け取る権利のあるものを請求することは問題ない、むしろ推奨されている」ということを明確に伝えるべきだとしています。
さらに、経営陣自身がこうした制度を積極的に利用する姿勢を示すことで、Financial Wellbeingが個人だけの問題ではなく、組織全体で取り組むべき重要なテーマであることを示せると結論づけています。
なお、この調査はSpecsaversがCensuswideに委託し、2026年6月18日~25日に、経費精算を行っている英国のオフィスワーカー2,000人を対象に実施されたものです。